道のり7:ツバキオイルを分析に出してみた<後編>

Journey

こんにちは、Ito です。

はじめましての方はぜひ「のり1」からお読みください。

  

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前編では、「こういう検査に出す〜」という記録を書いたので、後編は検査結果のお話。(※長いです)

    

   

おさらい

分析に出したのは、

日本産ヤブツバキ と 中国産ユチャ。

 

分析項目は、

過酸化物価 と 脂肪酸組成。 

 

ヤブツバキは低温圧搾の、精製されていないもので、

ユチャは精製されたもの。

 

「精製」って何かというと、植物油の香りを抑えたりテクスチャーを軽くしたりするための処理って考えてもらうとわかりやすいかと思います。じゃあ低温圧搾のものは全部香りが強くてベタベタなのかというとそうでもなく、それは各生産者の工夫(?)次第というか、一概には言えません。

なお、精製の方法として、生産者やメーカーによっては溶剤を使ったり高温で処理したりすることがあるらしいのですが、この中国産ユチャの精製方法は不明です。

     

   

分析結果

  

ということで、まず日本産ヤブツバキの結果から。

 

つづいて中国産ユチャ。

 

過酸化物価

上の表に記されている過酸化物価を見ると、

ヤブツバキが12.8、ユチャが9.0。 

 

ここでもう一度、過酸化物価の基準を見てみると・・・

0〜5mg/kg・・・ほとんど酸価していない

5〜10mg/kg・・・酸化が進みかけている

10〜20mg/kg・・・酸化が少し進んでいる

20〜50mg/kg・・・やや酸化臭がする。大きな障害はないが好ましくない

50〜100mg/kg・・・障害が起こる可能性がある

100mg/kg・・・吐き気がし、中毒を起こすこともある  

 

ヤブツバキは「酸化が少し進んでいる」、ユチャは「酸化が進みかけている」に該当します。ちなみにどちらも分析依頼の時点では未開封の状態です。

    

食用の油脂は、一般的に30以下で管理されているそうです。食品衛生法でそのように決められているみたいなんですが、口に入れるものであれ肌に塗るものであれ酸化している油脂は身体によろしくないです。酸化が進んでいる植物油をスキンケアとして常用していたらシミなどの原因になることも考えられます。

  

正直、中国産の方が酸化しているのかな(失礼)と思っていたけど、ヤブツバキを下回っていて意外でした。過酸化物価が低い(5未満)のツバキオイルの場合だと、生産過程で何が違うのかが気になるところです。 

  

   

脂肪酸組成 

続いて脂肪酸組成ですが、両方の表からわかるように、含まれている脂肪酸がまったく同じなんですね。

 

採取する植物も違うし、育った環境も違うし、未精製・精製という違いもあるしで、なんかこう、劇的な違いがあると思ったんですが・・・。こんなことってあるんだろうか?という疑問。

   

もし、奇跡的にツバキに詳しい方がこの記事をご覧になっているのであれば、お知恵を拝借したいです・・・。(切実)   

  

    

各脂肪酸の種類はこのようなかんじ。

パルチミン酸・・・飽和脂肪酸

パルミトレイン酸・・・一価不飽和脂肪酸

ヘプタデカン酸・・・飽和脂肪酸

ステアリン酸・・・飽和脂肪酸

オレイン酸・・・一価不飽和脂肪酸

リノール酸・・・多価不飽和脂肪酸

リノレン酸・・・多価不飽和脂肪酸

エイコセン酸・・・一価不飽和脂肪酸

    

脂肪酸組成の表を見てみると、ヤブツバキのオレイン酸は85.9%、ユチャは80.3%とあります。 

    

ユチャは、ヤブツバキに比べてオレイン酸が少ないと聞いたことがありますが、表にある通り若干少ないみたいですね。それとも精製の過程でなくなったのかな・・・。

       

オレイン酸とは、↑に書いたように「一価不飽和脂肪酸」に分類されます。一価不飽和脂肪酸は、リノール酸などの「多価不飽和脂肪酸」に比べて酸化されにくいです。

ツバキオイルの販売者さんたちが揃って「オレイン酸を多く含むからツバキオイルは酸化しにくい」と言っているのはこのためなんですね。

   

オレイン酸はまた、人の皮脂膜(皮膚を保護する膜)の主成分ということから、肌になじみやすいとも言われています。が、ここらへんについて書き出すとなが〜くなりそうなので、またの機会に・・・。

 

     

分析に出してみて思ったこと

今回分析依頼したヤブツバキのツバキオイル、実は自分のサービスで使おうと思っていました。しかし、過酸化物価の結果を見てこれは候補から外すことにしました。

  

たまたま私が購入したものだけがこの数値だったとしても(それはそれである意味問題)、酸化の進行度が「少し」とはいえ、最初から酸化が進んでいるものを使ってサービスを提供するわけにはいかないので。

  

正直、第一印象で「これだー!」と思って、このツバキオイルを使う気満々だったので、だいぶショックな結果でした。自分の勘の悪さにも(汗)  

 

だけど、サービスを始める前に知れてよかったと思います。ヤブツバキとユチャに大きな違いがなかったのも拍子抜けだったけど、いい勉強になりました。

   

余談ですが、ここまでユチャについてしれっと「中国産」と紹介してきました。しかし、このオイルを購入する際、商品情報には「日本の椿から採取した」という記載があったのです。生産国は日本になっており、「ユチャ」や「中国産」という言葉はどこにもありませんでした(これらのことは私が個人的に問い合わせて初めてわかったことです)。

原料の産地は中国だけど、それを日本で精製してボトリングしたから、生産国=日本ということなんだろうけど、若干の悪意を感じました^^; 外国から仕入れた小麦粉に、「国内製造」と記載しているような。

 

とにもかくにも、ここで販売元の名前を公表して批判するというのが目的ではないので、名前を書くことはありませんが、そういうちょっとずるい(?)販売元もやっぱりいるよね、という再確認になったということで・・・。  

  

 

最後に

もし分析に出したい方がいたら参考になればと思うのですが、分析機関はここから探しました。→厚生労働省のページ(「登録検査機関一覧」から見れます)

 

分析費は、過酸化物価が5000円、脂肪酸組成が1万5000円、×2で合計4万円(税抜)でござんした。

検査に出すサンプルの購入費を含めると5万円超え。断捨離でゲットした収入がほぼとんだ(笑)

   

ちなみに、機関によって料金が異なり、法人からの依頼しか受け付けていない機関もありました。興味のある方はお問い合わせするとよいかと思いますです。

 

  

というわけで、費用のことを考えるとボンボン分析に出せるわけではないので、下調べを徹底して「今度こそこれだー!」と思ったものをまた分析に出そうと思います。  

  

 

素敵なツバキオイルに出会えますように! 

 

  

     

 

それでは。 

 

Ito

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